教師をしながら副業で家庭教師の仕事をしたいと思う人は結構います。塾と違い通勤しなくても良いですし、直接契約の場合は手渡しで給料も渡されるので、周りにもバレにくいというメリットがあります。
今回はそんな家庭教師の申し込みやその後の流れについて紹介します。
副業で家庭教師する場合の申し込みから開始までの流れ
では実際に家庭教師の仕事を受けるまでの流れについて紹介しますweb申し込みまたは電話で申し込むのが普通ですが、副業でやる場合は以下のようなことを聞かれます。
- 年齢と出身大学
- 現在の就業状況
- 希望の教科と日数
- 個別指導の経験
今は家庭教師をプロでやっている人も多く、地域の条件が合えば積極的に斡旋してくれる会社も多いです。
登録派遣がほとんどなので今の仕事内容などを詳しく聞かれることはありません。
副業家庭教師の試験について
副業でやる場合でも形式的な試験はあります。高校受験の場合は公立学校の入試の基礎レベルが出題されます。
- 英語の文法
- 漢字テスト
- 中学までの数学の基礎計算
自分の得意な科目であればそこまで難しくはないと思います。非常勤講師をやっている先生なら問題なく突破できます。
家庭教師センターによっては試験すらないところもあります。
平均時給とコマ数について
仕事をやりながらの家庭教師の場合はじめは週に1回、土日が割り当てられることが多いです。部活動などの出席義務がある先生はここがちょっと辛いところ。
時給は大体2000円前後が一般的です。難関国立や医学部受験などのプロ家庭教師の場合は2500円~5000円ですが、未経験者で通るのは難しいですね。
ただ、自分の出身大学を生徒が希望している場合は話が通ることがあります。
登録してもすぐに仕事があるわけではない
塾と違い家庭教師の場合は通勤圏内に生徒が登録していないと仕事が回ってきません。都内では仕事が多くありますが、地方の場合登録しても数か月間は全く連絡がこないこともあります。
そして春休み・夏休みなどに突然電話がかかってきてスタートということになります。結構運の要素が大きいです。
副業をしていることがバレるのか?
実際副業の家庭教師がバレるのか?というと個人契約でない限りはバレる可能性の方が高いです。銀行振り込みで確定申告が必要になった場合バレると思います。
手渡しの場合は確定申告せずに稼いでいる方もいるようで、その辺は保護者の方からの申告がなければバレないかと思いますが、公立の常勤講師は危険ですので辞めておきましょう。
非常勤講師であれば全く問題なく家庭教師はできます。
家庭教師の教材と指導内容について
教材に関しては二パターンあります。
- 家庭教師センターが全て用意する
- 生徒が自分で購入してそれを教える
ココがかなり要注意で、家庭教師センターによっては「教材販売がメイン」で「家庭教師はサブ」という扱いの会社もあります。
そういうところで契約すると「決まった教材の利用が半強制」になっています。ただ、この教材が学校の定期テストの範囲と合わなかったり、細かい微調整ができないということがあります。
保護者としては教材費に数十万を支払っているので利用してほしいところですが、実際には地域の学校の先生の問題には癖があり、完全に範囲を一致させるのが難しかったりします。
一方、家庭教師の派遣だけで教材等は生徒や保護者と相談して決めるところもあります。
生徒としては自分で選んだ教材なのでやる気もあり、教えやすいのですが市販のテキストは難易度にさがあったり、一般ウケするように作られているので、オリジナルのテキストを用意する先生も多いです。
社会人の副業で教材準備までやってしまうとわりに合わないと感じるかもしれません。
教材作成の事務給などは発生しないです。
社会人の副業家庭教師の体験事例を二つ紹介
きっかけ
33歳で子供が3人いる既婚男性です。普段はWEB制作会社で働いているのですが、昨今の働き方改革で残業時間が徐々に減ってきており、当然ですがその分給料も減ってしまい、子供を3人育てるのにやや心もとない経済状況になってきた為、WワークOKの家庭教師を探し、週1回土曜日だけ勤務することにしました。元々学生時代にも家庭教師をやっていたことと、子供にものを教えることが好きだったので、負担も少なく始めることができました。
現在働かせていただいているDr関塾さんに、直接電話で問い合わせて申し込みをしました。
決め手については、まず自宅からあまり遠くない場所にあって通いやすいことと、平日は本業がありますのであまり授業教材作りなどをする余裕がない為、ある程度教育カリキュラムや授業教材がしっかり用意されていて勤務時間外の負担が少ないことなどを条件に、いくつかの会社を比べてみて、最終的に無理なく続けられそうなDr関塾さんを選択しました。
面接とテスト
接Dr関塾さんにお電話で問い合わせをすると、担当者の方から年齢や卒業大学、現在の就業状況、応募理由、希望の教科、希望の就業日数、これまでの家庭教師や個別指導の経験有無などをざっくり確認されました。
本業が他にあり、副業としてWワーク的に始めるというところで断られるかもしれないと心配していましたが、先生の中にはそういった方も含めていろんな状況の方がいらっしゃるようで、その点は特に問題なく話が進みました。
私が希望する教科は英語で、学生時代の留学経験などで英語が得意である旨と、TOEICが900点代であることなどを伝えると、面接をしていただけることになりました。
後日改めて採用担当者との簡単な面接(電話で確認されて内容と基本的に同じ内容)と、割と形式的な中学高校で習うような基礎英語の文法試験があり、一通りを終えて無事に採用していただけることになりました。
担当教科は希望通り英語で、出勤については毎週土曜の1日3コマからのスタートになりました。始めのうちは研修期間として1コマ90分で1800円からのスタートでした。
指導対象はできれば小学生がよい旨を伝えたのですが、そこは残念ながら小学生、中学生、高校生で時間が合う生徒がいれば全て対象になりますということで、学年を問わず教えることになりました。
中学生や高校生は多感な子が多く、昔の家庭教師バイト時代には授業にならない生徒もたくさんいたので、正直ちょっと億劫ではありましたが、そこまでワガママは言えず受け入れることにしました。
教材については基本的にDr関塾さんで蓄積されている指導ノウハウとセットで用意されていました。
学校で各学年毎に習う授業カリキュラムに合わせて作られたオリジナルの授業教材と、教えて方や進め方についてのマニュアルなどもセットで用意されており、久しぶりの家庭教師業でしたがほとんど問題なく授業を進めることができました。
また、基本的には用意されている教材を使って指導するようにということなのですが、教える生徒の苦手克服や個別の重点指導については、その生徒に合わせて先生側が参考書から抜粋して別で作ったりしてもよいということでした。
私も始めはあまりそういった凝った個別指導などは時間的に難しいかもと思っていたのですが、やはり直接生徒と向き合うとなんとか理解してもらいたいと思うようになり、個別の抜粋教材などもうまく使って生徒の学習を促すようにしていました。
教え方のコツについては、その生徒たちの間で流行っているモノやキャラなどに合わせて英文法をオリジナルで作ったり、海外の著名人の英語ツイッターを和訳するなどで興味をもってもらい、できるだけ楽しんで学習できるようにすることだと思います。
教えていて大変なこと・おもしろかったこと。
やはりあまりやる気のない生徒が一番教えるのが大変でした。
それは昔の経験からもわかってはいるのですが、どうしても親にある程度強制的にやらされている生徒が一定数おり、そういった子に勉強を教えるというのはなかなか授業の体裁すらとれないこともあってとても苦労しました。
そういった生徒には、前述の通りですが、できるだけその子の興味があるゲームや芸能ニュースやエンタメ系の話題から入り口をなんとか作るようにしています。
「これって英語のスラングでいうとこんな表現なんだよ」
「普段自分たちが日本語で話すこういう言い回しは英語には無いから英訳するのが大変なんだよ」
など、英語が勉強ではなくただのコミュニケーションの為の手段でしかないから、難しくないんだよということを全力で伝えるようにしています。
それでもやる気をもってくれない子は正直もうお手上げで、会社側と親御さんに状況報告をしてあとの判断は任せるようにしていました。
ただ、逆に私のそういった努力が実を結び、めちゃくちゃのめり込んでくれる生徒もいたりするのでこの仕事はやりがいがあるなと思います。
一人印象的だったのは、親は真面目だけど子供が不良っぽい感じの家庭の生徒に教えることがあったのですが、その子の好きな海外ドラマ系の話題から英訳和訳のおもしろトリビアなどを説明しているうちにどんどん積極的に英語を学ぶ姿勢をもってくれるようになり、半年ほどで大好きな海外ドラマをほぼ日本語字幕なしで見れるところまで劇的に成長する生徒もいました。
子供を指導するというのはとても大変ですが、そういった喜びに出会うことができるのはとても魅力的なことだと思います。
体験例その2
きっかけ
20代男性です。私が家庭教師のバイトをしようと思ったきっかけは、私自身の浪人時代にあります。私が通っていた予備校の講師の方たちは経歴がすごいだけでなく、博識な方ばかりでした。
勉強が分からない私にでも分かりやすい説明で、初めて授業を受けた時のあの感動は今でも覚えています。勉強の話だけでなく、世間話や豆知識がとにかく豊富で、尊敬しました。
申し込みと面接
家庭教師センターキャンパスライフから申し込みをし(社会人でも可能)、自己紹介、動機、意気込みなどを入力し、そこからデスクスタイル、スマイルティーチャー、家庭教師ヴォックス、家庭教師ランナーに一括登録させて頂きました。
その他にもいくつか会社はありましたが、これら4つを決めた理由は時給と、私自身が住んでいる地区に該当する会社であったからです。この4つは全て、時給が1時間で1800円からでしたので、迷い無くこちらから選びました。
どの会社も筆記などの試験はありませんでした。今の時期は、コロナウィルス感染の拡大のせいでなかなか対面での面接が難しいということもあり、電話での軽い面接と、履歴書の送付をいたしました。
履歴書が正式に受注された後、会社から生徒さんの案件を頂き、自分が承諾してから、こちらも電話上での軽い研修がありました。
研修は以下の通りです。
- どの教材をどのように使用するか?
- 講習料の受け取り方
- 指導報告書の書き方と提出期限
- ご家族と上手くやっていくために最低限のマナー
- 生徒さんには絶対に言ってはいけない言葉
研修の後、生徒さんの情報(カルテ)が自宅に届き、その研修が無事終わると来週から早速指導開始という流れです。
私の担当教科は、小・中学生の英、数、理、社、国の五教科です。
高校2年生までの指導は可能ですが、現在受け持っている生徒さんは皆中学生です。コマ数は週1の90分でお給料は2700円です。
月4回の指導になりますから、2700×4=10800円と、交通費(800円までの支給)を足します。
往復で800円を超えるご自宅に通うことになる場合、オーバーした分は自費となります。なかには、週2回を希望する生徒さんも複数いますが、私はあまり入れすぎると学校の勉強が疎かになってしまうので、現在受け持っている生徒さんは皆週1コマです。
教材と教え方について
教材は、それぞれの会社が出版している教材を生徒さんが購入し、私はその教材に沿って教えていくというものです。
例えば、英語の教材を買って、一口に教えるといっても、英語だけで3~4種類ほどの教材があります。
メインで使用する予習・復習問題集、要点がまとまっているノート、そして苦手な問題が集まった問題集、学校の定期テスト対策用の問題プリントなど様々です。
教え方のコツとしては、普段は予習・復習問題集と要点まとめノートを使って同時に指導します。というのも、分からない問題があったときに、すぐ隣に要点まとめノートを開いておくとすぐに確認できるからです。
テスト前になったら、要点まとめノートと、テスト対策用のプリントを使います。
後者の教材は少し問題の難易度が高めに作られていますので、分からない問題があったらすぐに要点まとめで確認、そしてそれでも分からないものは私が指導するといった流れになります。長期休み期間は、弱点まとめ問題集を使用し、復習にあてます。
教えて大変だったこと
私が生徒に実際に教えてみて大変だと感じた点は、生徒との相性です。社交的で明るい子であれば、勉強に入る前に5分ほど軽い雑談をするのですが、本当に大人しいような子だと話が続かないです。
何より一番困っているのが、「分からない問題があれば遠慮しないで聞いてね。何回でも聞いてくれて大丈夫だからね。」と言っているのですが、生徒さんから「分からない。」の声がなかったりすることが多いです。
反応を見て明らかに理解できていないような様子であるのに、遠慮してその一言が言えない、そして教えて「どう?理解できたかな?」とこちらが確認しても、微妙な反応で「わかった。」と頷く生徒さんが多いです。
時間と共に緊張や遠慮はほぐれていくものですが、それでもなかなか遠慮してしまう生徒さんがいるので、打ち解けるのが大変だなと思いました。
仕事で辛い点と言えば、家庭教師の派遣の会社から紹介される案件は自宅から近い場所、ということはほとんどなく大体は地区の外れや、バスでしか行けないような辺鄙な場所がとても多かったです。
ですので、指導云々の前にその生徒さんのご自宅までに通うのがとても大変でした。
特に、基本指導は時間通りに終わることはほとんどなく30分の延長は当たり前なのですが、夜のバスは1時間に1本という場所だと延長すると最後のバス(高速を使うため運賃は上がる)しか乗れず、夜は遅いし、自宅に帰宅するのに精一杯ということもありました。
気軽にどうぞ♪