小学校教師を目指している方、小学校教師の給料はどれくらいか知っていますか?
公務員の身分なので、なんとなく安定したイメージがあるのではないでしょうか?
また、結婚生活と小学校教師を両立するのってどんな感じかな?と気になっている方、私自身や、私の周りの先生がどんな生活だったのかお伝えします。
ただし、みんながみんな同じというわけではなく、あくまでも一例として読んでください。これから小学校教師を目指す方の参考になれば幸いです。
小学校教師の給料と残業代の実態について
公立小学校の場合、県や地域ごとに定められている地方公務員の給与体系に沿って給与が決定します。
平均年収は約672万円、毎月の平均給与は諸手当含め41万9508円(平均年齢43.1歳)です。安定した給与と手厚い福利厚生はは公務員ならではのメリットです。
※総務省「平成30年 地方公務員給与の実態」(調査対象:849,452名)
平均年収
平均年収は約640万円(約42.8歳)です。
内訳は
- 給与:430万8,288円(月額35万9,024円×12か月)
- 扶養手当:8万3,172円(月額6,931円×12か月)
- 地域手当:28万704円(月額23,392円×12か月)
- 特別給(ボーナス):約175万円(月給×4.5か月)
年代別にみると、20代は408万円 30代は556万円 40代は662万 50代は708万円 となっています。
公立小学校教諭の給与制度の1つに勤続年数を評価する項目があるためです。勤続年数が長くなると役職も増え、手当がつくため平均年収が上がっていきます。
小学校教員の手当て
常に支払われる手当
教職調整額:時間外勤務手当の代わりに相当するもの。校長と教頭以外に一律本給の4%が支払れる
義務教育等教員特別手当:教員全員に給料の平均約3.8%の定額が支払われます。
仕事内容に応じて支払われる手当
管理職手当:校長・教頭・部主事に支給される手当(給料に対し、校長12~16%、教頭10~12%、部主事8%の金額)
給料の調整額:特殊教育(特別支援教育)に直接従事する教員に対し支給される手当(本給の約6%の定額)
特殊勤務手当
多学年学級担当手当:複式学級(2つ以上の学年を1つにした学級)を担当する教員に、日額約300円が支払われます。
教育業務連絡指導手当:主任を担当する教員に、日額200円が支払われます。
教員特殊業務手当
非常災害時等緊急業務:非常災害時における緊急の防災や復旧の作業などを行った際、日額約3,000円が支払われます。
修学旅行等指導業務:修学旅行等において生徒を引率する業務を行った際に、日額1,700円程度が支払われます。
対外運動競技等引率指導業務:対外運動競技等において生徒を引率する業務を行った際に、日額1,700円程度が支払われます。
部活指導業務:部活動における指導業務を休日等に行った際に、日額1,200円が支払われます。
入学試験業務:入学試験における受験生の監督、採点等の業務を休日に行った際に、日額900円が支払われます。
その他の手当
へき地手当:へき地学校に勤務している教員に、へき地給地に応じて(給料+扶養手当)×25%の範囲内で手当が支払われます。
私立小学校に勤務する場合は公立小学校とは異なり、学校によって給与が定められています。
平均年収で比べると公立小学校の方が高い傾向にあると言われますが、なかには公立小学校より高いところもあるようなので、希望する学校の給与や待遇をきちんと確認することがおすすめです。
給時法のせいで時間外労働が算出されない
小学校教諭は、比較的安定して給料をもらえるし、退職金もそれなりの額をもらえます。安定してていいなぁと思う方もいるでしょう。
しかし、毎日5時間以上の超過勤務に加え、休日出勤や持ち帰りの仕事の量を考えると、割に合わない仕事だと考えるられます。
実際、公立小学校の教員には「残業手当」という概念はありません。
残業代が支払われない理由は、給特法(公立の義務教育諸学校等の教員職員の給与等に関する特別措置法)にて定められているためです。
給特法では、時間外勤務手当を支給しない代わりに、教職調整額を支給すると定められています。
教職調整額は、全教員一律に給料月額の4%が支給され、期末・勤勉手当や退職手当等の算定の基礎になります。
言い換えれば、「月額4%で子供たちのためにいくらでも働きなさい」ということです。
小学校教師の結婚生活はどうなってる?
小学校教師の平日は、基本的に自分の時間はないと考えても大げさではありません。
朝は6.7時に出勤し、帰宅は9時近くなることも多いのです。
また、勤務中に休憩時間はなく(制度的には存在するようですが)家族と連絡をとったり、ちょっと息抜きをしたりすることは、基本的にできません。スマホをいじっているなんて時間は、ほとんどありません。
結婚して夫婦2人になっても、平日は家に帰って寝るだけの生活が続いてしまいます。
また、休日にも部活や奉仕作業、校外学習の下見、部活の応援など、出勤することも多く、一応手当がつくこともありますが、本当に謝礼程度。その時間アルバイトをしていた方が稼げるくらいです。
さらに、休日にも関わらず、電話をかけてくる保護者がいたり、休日に何かトラブルを起こした児童への対応を迫られたり。心休まることはなく、追い詰められて心をこわした先生が何人もいるのが現状です。
夫婦2人の場合は、それでもなんとかやっていける場合もありますが、子供がいる場合にはさらに忙しくなります。
教員同士の結婚生活のスケージュール
ある教員ママ・パパの1日
4:00 起床、身支度、朝食準備、終わらなかった持ち帰りの仕事
6:00 子供のお世話
7:00 子供を保育園に送りとどける
7:30 出勤
18:00 保育園のお迎え(終わってない仕事を大量に持ち帰る)
19:00 子供のお世話(夕食、お風呂、ふれあい、寝かしつけ)
21:00 終わらかったプリントの丸付けや指導案作成、授業準備など。終わり次第就寝(だいだい24:00くらい)
おそらく、ほとんどの子持ち小学校教師はこんな生活でしょう。ただし、どちらかが専業主婦・主夫だったり、異なる勤務体系の仕事だと、スケジュールが変わってきますね。
教員の中には、夫婦で小学校教員の場合が多く見られます。
職場結婚がとても多い職種です。その場合、どちらもこのような生活で、平日は家事もほとんどできないし、自分の子供と過ごす時間はほとんどありません。
さらに休日も、交代で出勤しているような状態で、家族みんなで過ごす時間は、とても少なくなりがちです。貴重な時間を上手に使って、家族で楽しく過ごそうと工夫しています。
また、子供が小学生になると、入学式や運動会や授業参観などの学校行事が重なってしまうことが多くあります。
2人とも教員の場合、「自分の子供の運動会に1度も行ったことがない」という家庭もたくさんあります。
子供が病気になってしまったときに、どちらが迎えにいったり休んだりするかでもめることもあります。
夫婦で小学校教師をしているメリットもあります。
例えば、「仕事の大変さを理解しあえる」「収入的には比較的安定する」「夏休みや冬休みなどの長期休暇で休みをとりやすい」
などです。
教師の給料と生活のまとめ
小学校教師の給与や結婚生活について、参考になったでしょうか。小学校教師は、給与の面では、比較的安定していますが、それに伴う代償もまた多い職業です。
しかし、その中でも、仕事と上手に付き合い、「子供の教育のためにささげよう」と頑張っている先生はたくさんいます。
これから小学校教師を目指す方は、その現実も踏まえて、自分はどんな働き方をしたいのか考えることをおすすめします。
安定職で楽々のんびりとはいかないのが実情なのです。
気軽にどうぞ♪