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学習塾の将来は絶望的!生き残り戦略を塾講師キャリア30年の私が語る

業界としてはいわゆる教育産業です。広島市に本社を置き、大阪府から山口県に至る瀬戸内地域に教室を展開している鷗州塾という会社に、塾講師として勤務しています。

社内では小学生から高校生に至るまで、教科によっては対応できる便利屋を自称していますが、専門は小中学生の国語・社会・英語です。

現在59歳で60歳の定年間近です。特に管理職でもなく、とりたてて人気講師というわけでなないので、給料は多くありません。

今回はAI導入で激変する学習塾の現場と、今後の生き残り戦略について考えてみようと思います。

【 変わりゆく塾業界の現状 】

  • 少子化にともなう子どもの減少
  • 入試改革や学校教育内容の変化にともなう塾に求められる教育の変化
  • 学歴に対する価値観の変化

これらを知りたい人は参考にして下さい。

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目次

塾業界の将来性は絶望的?AI導入で変わる現状

業界動向リサーチより

私塾そのものは以前ほどではないにしてもまだまだ乱立しており、経営的に思わしくないところは淘汰されつつあります。

ここ数年は、社内でも新規に教室を展開するより、教室を統合して減らす時期にあります。

経営的に強みのある基幹的な教室をだけを残して、そこでのサービスの幅を広げているのが現状というところでしょうか?

将来性はそういう方向にあると経営者は考えているものと思われます。実際に若手講師は減りゆく子供と売り上げの減少に絶望的になっています。

まずは、進学向け教育業界。少子化による影響で子供の数は減少傾向にあるものの、塾通いの子供の数は増加。特に中高一貫校に人気が集まり、中学受験を中心に、全体でも堅調な伸びを見せています。しかしながら、長期的には少子化の影響は逃れられず、長期的には緩やかな縮小傾向が続くと見られます。 【 教育業界動向ランキング 】

生き残れるのは大手の一部でしょう。

タブレットの授業は塾業界に浸透中

AIとは言わないまでも、インターネット端末であるタブレットは授業の中で取り入れられ、まるでカラオケでも歌うかのように、英文を読ませてアプリで採点します。

授業におけるタブレットの採用により、いわゆる4技能のうち、これまで軽視されてきた「話す」により重点を置いた授業の展開が可能になっています。

また、理科・社会についてはwebを利用して各家庭で学習が可能なように単元の説明を聞くことができるようになっていて、個人個人が自分の好きな単元を学習することができます。

こういったことを推し進めていくと、しまいには学習塾そのものが必要なくなる、もっと言えば、学校を含めて教師そのものがということも考えられます。

AI適応化できない子供のためのニーズがある

しかし、そういったコンピュータ化、AI化は逆にそういう環境に適応できない子どもも生んでしまうことも確実に言えます。

最近のテレビドラマではないですが、本来の教育に適応できない子を救うのが学習塾の原点だとだと考えれば、AIと上手に共存させることも大事な教育になるかもしれません。

ただ、それはまだまだ遠い将来のような気がします。

現時点では、将来に向けてさまざまな新しい入試のタイプに対応した対策が取れる私塾が求められていると思われます。

特に中学入試における「適性検査」への対策や高校や大学の入試における「小論文」の対策は、一朝一夕にAI化できるものではありません。

一人ひとり答えが違うものの採点は、それを書くことができる能力よりもはるかに高い能力を必要とします。

今後はそういった人材がもとめられるのではないでしょうか?

AI導入後に学習塾講師が生き残るために必要なスキル

もうすぐ定年と言うこともあり、AIにとって代わられないための具体策を何かとっているかと言われたら特別にとってはいません。

そのあたりが、定年間近なのに管理部門でも人気講師でもない原因なんだろうとは思います。しかし、AIをとは言わないまでも、コンピュータ関連の製品を自由に操れる能力は必要です。

AIはあくまで教師の一部であり、それを統括するのは人間である教師ですから。これはどの業界でもそうなのでしょうが、ある種の「経験」が役に立たなくなるということは確かでしょう。

どんなに磨いてきた指導技術にしても、それはAIがやってくれるとなると、その方がいいと考える人は増えてきますから。

必要なのは指導する、教える技術ではなく生徒を惹きつける技術の方になります。そういった意味では、教師の側でのコミュニケーション技術はとても重要だと言えます。

さらに、「答えがない」もしくは「答えがいくらでもある」問題に対して、その対応の仕方を指導することは非常に難しいことですが、その姿勢を示すことはとても重要になります。

問題に対して何もできない生徒に何を考え、何をしたらいいのかお手本なり、方向性なりを示してあげなくてはなりません。

そういったことは現実の問題として可能なのでしょうか?

社会に出ればすぐに答えを見て理解できるような問題だけではないのです。

まず、まねをすることから入り、そこから全く違う自分の考えを表現させるところまで、引き上げなくてはなりません。

そういった「経験」を通じて、自身の能力やスキルを高める必要性はあります。

この能力やスキルはマニュアル化することは難しいですし、マニュアル化できてもAIにとって代わられるということは考えにくいことです。

以上、今の仕事をAIにとって代わられないためのふたつの方法を上げてみました。

今後学習塾業界に入る人は覚悟が必要

教育産業は、飲食業と並んで離職率の高い業界です。就職や転職でこの業界を選ぶ人は、学校の勉強なんて簡単だと思って軽い気持ちでいるかもしれませんが、現在はかなり絶望的な時期にあると思います。

当然、学力は必要ですが、生徒はかならずしもこちらの言うことを聞いてくれるわけではありませんし、そのスポンサーである保護者も、学校と違って「お金を払っているのだから、何をしてもいいだろう」と考えているケースがあります。

モンスターペアレントではないにしても、彼らが「お客様」であることは確かなので、こちらもあまり無茶な対応はできません。

そうかといって言いなりになっていては、逆に仕事になりません。

なにしろ、「成績が上がる」「志望校に合格させる」をうたい文句にしているのが普通ですから、「成績があがらない」「不合格だった」となれば、理屈的には「金返せ」とならない
方がおかしいわけですから。

株やギャンブルをしているわけではありませんが、そこを外しては存在価値が希薄になってしまいます。

もちろん、日々の勉強の中で「わかった」「勉強するようになった」ということを積み重ねていけば、最終的な悪い結果だけで「塾」を判断されるわけではありません。

生徒とともに苦しみや喜びを分かち合うという意味では、とてもやりがいのある仕事です。

一般に学校教員の資格は学習塾では必要ありませんが、とっておいた方が、会社にも生徒や保護者にも有利に働きます。

最近は学習塾でも学校経営をしているところは多くありますので、そこから系列のしてい私立学校教師になる例は私の勤務している会社でもよくありました。

最後に、人を育てるわけですから、人としての魅力を磨いておくのが大切だと思います。

私は定年まで何とか働けましたが、今の20代、30代は将来的なキャリアップまで考えてこの業界に飛び込んできてください。

やりがいがありますが定年まで働けるかどうかは未知数です。年金等も薄い業界ですのでそのこともお忘れなく!



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