ブラック仕事場の代表、小学校教員。
夢をもって教員になったはいいが、イメージとは全く違うし、心も体も疲弊していくばかり。このまま続けていたら本当に立ち直れなくなってしまう。
できれば、小学校教員を辞めて違う仕事をしたい。
でも、小学校教員になるためにしか勉強してこなかった自分に何ができる?
家族もいるし、次の仕事も決まらないに軽々しく辞められない・・・辞めてもまた臨時採用として敎育現場に戻ってくることになるのではないか・・・・
そんなことに頭を悩ませる方も方も少なくないのではないでしょうか?
一般的に小学校教員は「世間知らず」と言われ、「教師は潰しがきかない」などと言われます。
しかし、私の経験上、そんなことは全くありません。
「教員だから転職できない」なんてことはなく、教員としてのスキルを上手く生かしたり、自分の特性を理解し、強い意志をもって行動すれば、基本的にできないことはありません。
この記事では、教員を辞めたらどんな仕事ができるのか、具体的にご紹介します。
「教える」ことを生かした仕事は相性が良い
小学校教師の強みは、何と言っても「子供に教える」ことに慣れていること。「人に物を教える」というのは、どんな仕事においてもとても重要なスキルです。
中でも、「小学生に教える」ということは、難しい言葉を使わず、噛み砕いて伝えたり、声の大きさや速さにも工夫が必要です。
大人に教えるよりも技術が必要かもしれません。「子供に分かりやすく教える」ことができれば、大人に教えることは意外と簡単に感じることもあるます。
塾講師や家庭教師
小学校教師を辞めたら一番最初に思いつくのが塾講師や家庭教師ではないでしょうか?
「教える技術」をそのまま活かせる仕事です。
小学校の仕事と違って、基本的には学力をつけることを目的としているので、「学級経営」や「生活指導」など、学習と関わらない仕事よりも、「授業をするのが好き!」という先生には、塾の方が性に合っている場合があるようです。
シンプルに「分かりやすい授業をする」「子供の成績を上げる」といった明確な目標があることに、幅広い業務を担当する小学校の仕事にはないやりがいを感じることがあるようです。
また、家庭教師の場合、1人の生徒とじっくりと関わることができます。
1人で30人以上を毎日相手にしていて、もっと1人1人と関わりたいけれど、関わることのできないもどかしさを感じていた先生は、家庭教師として力を発揮できる可能性があります。
塾や家庭教師は、会社に入る場合もあれば、個人経営する方もいます。
個人の場合、経営するにはきちんと戦略を立てる必要があるので、自分がどんな塾を開きたいのか、どんなことを指導したいのか、よく考えてから行動する必要があります。
塾や家庭教師の転職前に持っておいた方が有利な資格
小学校の教員から塾講師や家庭教師になるために持っておいた方が有利な資格は以下の通り
- TOEIC・TOEFL
- 英検・漢検の準1級以上
- 日商プログラミング検定
英検や漢検は生徒が進学先の内申書に書けることもあり教えられると有利です。今は受験でリスニングが重要視されているので、英語の技能としてTOEICやTOEFLがあると良いでしょう。
また塾と併設して子供向けのプログラミングスクールも運営している企業も多く、将来性のある資格です。
習い事教室の先生
教員生活の中で、指導が得意な分野があった場合、その教科の先生になる方も多いです。
例えば、音楽の授業が得意な先生が、リトミック教室を開いたり、体育の指導が得意な先生が体操教室を開いたりしているケースもあります。
習い事の先生というと、とても専門的な技術が求めらるように感じますよね。
しかし、子供相手に教えるときは、大切なのは知識ではなく分かりやすさ。
- 「どう見せたら子供にとって分かりやすい手本になるか?」
- 「どうしたら子供が楽しく続けられるか?」
- 「理解させる手順はどうすべきか?」
など、小学校教師として培ってきた技術を生かして考えることができます。
これもまた、会社に所属してもよし、個人で経営するもよしですが、個人経営の場合は、場所や経費、集客方法などをよく考えてから始めるようにすることをおすすめします。
宿泊施設や博物館の指導員・図書館司書
自然体験やスポーツ体験、プログラミングや、工作教室ができる宿泊施設や運動施設があるのはご存知ですか?
小学校教師であれば、宿泊学習の引率や研修などで利用していることがあるのではないでしょうか。そこには指導員とよばれる方がいて、施設を利用しに来た子どもたちに工作やスポーツを教えてくれます。
定年退職をした先生や、教員の身分のまま在籍している方もいますが、一般に募集している場合があります。
体験学習を大切に思う方は、そういった施設で思いっきり子供と遊んだり、体験を通して学べることを伝える仕事ができるので、おすすめの職場です。
また、地域の博物館や資料館の指導員として働き、子供が見学に来た際に説明したり体験の指導をしたりしている方もいます。
また、図書館司書として子供用の本を扱うしごとにつく人もいました。
宿泊施設や博物館で働くために有利な資格
- 学芸員・図書館司書
- 危険物取扱
- 調理免許
学芸員は博物館ではほぼ必要です。倍率が高いのでコネなしで無資格は厳しいです。宿泊施設の管理人としては、旅館などで有利になる危険物扱い・調理師免許なども有利になると思います。
フリースクールの先生
フリースクールとは、何らかの理由から学校に行くことができない、行かない、行きたくても行けない……という子どもたちが、小学校・中学校・高校の代わりに過ごす場所です。
不登校やひきこもりをはじめ、軽度の発達障害、身体障害、知的障害などの事情を抱えるたくさんの子どもたちを受け入れ、学びの場を提供しています。
個人経営、NPO法人やボランティア団体などが運営する民間の教育機関になるので、それぞれの方針や教育理念の違いによって形態もさまざまです。
共通するのは、子どもたちの主体性を尊重しているところと言えます。
公立学校の画一的な指導方法に嫌気がさしていた先生は、フリースクールで自分の思いと近い敎育をすることができる場合があります。
難しい事情を抱えた子供が在籍していることが多いので、簡単な気持ちではできませんが、「もっと子供によりそいたい」という思いがある方には向いている職場でしょう。
フリースクールで有利な資格
フリースクールというのはどちらかというと学校の授業についていけない子供、虐待されて保護しされている子、発達障害・自閉症などの子供が来ます。そこに対応するために有利な資格があります。
- 臨床心理士
- 国家心理士
- 心理カウンセラー
今は国家資格として心理士の資格が上乗せされ、教員でキャリアがある方は特例的に大学院に行かなくとも資格が取れます。
独立して働ける資格なので持っておいて損はないです。
「小学校の先生」から離れた別の仕事に転職する
もう「先生」と呼ばれる仕事にはうんざりだ。教師を辞める方の中には、そう思う方も多いかもしれません。ここでは、実際に小学校教師を辞めて、全く違う仕事をしている方の例をご紹介します。
フリーランス・プログラマー・動画編集者
教員を辞めて、フリーランスになって成功している方もいます。もともとプログラミング技術に長けていて、学校のパソコン関係業務を全て引き受けていました。
学校のホームページを作成したり、子供のプログラミング教育についても学んでいたりしていました。
その経験を生かして、子供向けプログラミングサイトを運営したり、ウェブ作成をしたり、動画編集をしたりして、教員時代よりも多い給料でフリーランスとして活躍しています。
また、自分で動画編集もできるので、Youtube動画でも広告収入を得ることができているようです。
フリーランスで働くために有利な資格
これはプログラミング全般です。実際にサイト運営のスキルとキッズ向けの簡単なプログラミングを教えられると良いと思います。
動画編集スキルも同時にあれば転職はかなり有利になるでしょう。
教員ならではのカフェ経営
料理の知識があるわけでも、学校に通っていたわけでもないけれど、教員を辞めてカフェ経営をはじめ、成功をおさめている方もいます。
周りの方には「そんなの絶対成功しない」と言われてはじめたカフェでしたが、本人の努力と、綿密な経営戦略により、その地域でちょっとした人気店となっています。
「元教員」という肩書を上手に活かして、インテリアに黒板を使ったり、学校の椅子や机を使ったりしていました。
宿題を隙間時間に見てあげたり、ママさんもいられる自習室を作ると人気が出るかもしれませんよ?
会話能力を活かした営業職
会社に就職し、バリバリの営業職をこなしている方もいます。
その方いわく、「自分が相手をしていたモンスターペアレントと比べたら、ほとんど人がいい人に見える」と話していました。
また、「自分が頑張った分だけお金になる」という感覚が新鮮に感じたそうです。教員の仕事はほぼボランティアのような状態のことがあるので、残業代が出たり、成果に応じて報酬が上がることに喜びを感じる方も多いようです。
ハンドメイド作家
家庭科の先生はもともと趣味でやっていた木工雑貨を仕事のレベルにまでもっていき、教員を辞めて成功をおさめている方もいました。
その方は女性で、育休中に寝る間を惜しんでハンドメドの腕を磨き、友人や知人にプレゼントしているうちに人気が広がり、いつのまにか教員時代の収入を越していました。
教員だけが生き方ではない
教員免許をとって、採用試験に受かってしまうと、もう自分には教員としての道しか残されていないのではないかと感じてしまう方もいるかもしれません。しかし、そんなことはないのです。
「子供に教えることが好き」「子供と関わりたい」「理想の敎育をしたい」その思いは、学校以外でも実現することはできます。
教員を志す人や、現在教員として頑張っている方の多くは、とても真面目で努力家な方が多いように感じます。
努力できることは才能です。その「努力する才能」を、教員として使うのもよいし、違う方向へ使うのもよいと私は思います。大切なのは、「心身ともに健康な状態で続けていける仕事なのかどうか」です。
人生100年時代。転職しない人の方が少ない時代です。
小学校教員は、子供の成長と常に関わることができ、子供から日々成長させてもらえる、とても魅力的な仕事です。
しかし、それが全てではありません。自分と仕事の関係を、長いスパンで見たときに、自分がどうしたいのか、どう生きていきたいのかよく考えてみることをおすすめします。
気軽にどうぞ♪