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教員免許はおかしい!不要論と失効・更新忘れの問題を現役教師が本音で語ります。

こんにちは。

今日は、【教員免許更新制度】についてお話ししたいと思います。

学校の先生でないとまずこんな制度知らないですよね…。

でも逆に、学校の先生なら知っておいてほしいこの制度。そしてここが変だ!というところについてお話していきたいと思います。

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目次

問題点だらけの教員免許更新制度について

そもそも、教員免許に更新制度ってあるの?というお話からです。

学校の先生になるには大学で【教職課程】と呼ばれるものを取らなくてはいけません。

教員養成課程(教育大学や教育学部など)であれば大学の卒業要件に教員免許の取得が義務付けられています。

それ以外の大学、学部では通常の授業に教職課程の授業をプラスすることによって教員免許が取得できますよね。

せっかく取得した教員免許なのですが、数年に一度、更新しなくてはいけなくなりました

ただ、この制度は検証すべき要素も多く、実際現場で働く講師からは様々な問題点が指摘されています。

そもそも教師の免許更新は何のためにあるの?

そもそも、教員免許更新制度が始まったきっかけと目的をお話しします。

教員免許更新制度は、平成196月の改正教育職員免許法の成立により、平成2141日から教員免許更新制が導入されました。その目的は、以下の通りです。

1.目的

教員免許更新制は、その時々で教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目指すものです。

※ 不適格教員の排除を目的としたものではありません。

(文部科学省HP 【教員免許更新制度の概要】より)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/koushin/001/1316077.htm

受講できるのは現職教員または、次年度に教壇に立つ予定の教員のみとなります。

 

要は、現職教員等の資質向上を目的としたものだというふうに文部科学省は言っているわけです。

しかし、これが始まった背景としては、【※】のところに書いてある【不適格教員の排除】であったわけです。

当時、高等学校教員でありながら高校入試問題が解けないなどというニュースが全国に流れ、その後この教員免許更新制度が導入されたということがあるのです。

 

教員免許の期間は?

上記のようなことがあり、教員免許には期限が設定されることになりました。

運転免許などと一緒ですね。

その有効期間は、所要資格を得てから10年後の年度末までです。【所要資格を得て】とは、免許状の授与に必要な学位と単位を満たした状態のことをいいます。

例えば、平成25331日に所要資格を得た後に授与される免許状は全て、令和5331日まで有効となります。

 

期限が切れるとどうなるの?

教員免許更新をしないと免許は【失効】となります。

現職であれば教壇に立つことはできません。

しかし、期限までに更新講習を受講・修了しなかった(できなかった)場合は、【更新手続(回復確認)】又は【新たに免許状を取得】することによって再び教壇に立つことができます。

教員免許更新をせずに授業をしているというのが一時ニュースにもなっていました。現職の先生方、気をつけてください。

 滋賀県教委は31日、県内の公立中学校の30代の男性教諭が教員免許の更新手続きを怠ったまま4年間勤務していたと発表した。男性は平成25年に採用されていたが、県教委は同日付で採用は無効と通告し、男性は退職した。

 

県教委によると、男性は教員免許の期限が25年3月31日で切れるため、23年9月に更新に必要な講習を受講。

 

受講後は県教委に申請し、更新講習修了確認証明書の交付を受ける必要があるが、男性は受講のみで手続きが済んだと誤解。そのまま手続きを怠ったため、免許が更新されないままになっていた。

 

県教委は、その間の授業は指導要領などに沿って行われており有効とし、給与の返還も求めないとしている。

参考  痛すぎる「うっかり」 教員免許更新せず採用無効、退職 講習受けたが手続きせず…滋賀の公立中学校男性教諭

今、教員でない人は教員免許更新講習を受けることができませんので、まずは教員免許を取得した教育委員会に連絡を取り、免許回復の手続きをしなくてはいけません。

また、更新を受けずに教師を続けるけるパターンとしては、新しい教員免許を取得すると、免許更新は1回パスとなります。(10年後にはしないといけません)

例:中学教員免許を持っている人が、新たに小学校の教員免許を取得する。

更新時はどんなことをするの?

さて、教員免許更新の内容についてお話ししたいと思います。

教員免許を更新するには、【講習】と呼ばれるものを受講しなければいけません。

講習の内容は以下の3領域です。

  1. 必修領域:全ての受講者が受講する領域
  2. 選択必修領域:受講者が所有する免許状の種類、勤務する学校の種類又は教育職員としての経験に応じ、選択して受講する領域
  3. 選択領域:受講者が任意に選択して受講する領域

 

更新講習はあわせて30時間以上受講・修了する必要があります。

このうち、【必修領域講習】、【選択必修領域講習】についてはそれぞれ6時間以上、【選択領域講習】については18時間以上を受講・修了することが必要になります。

受講は大学や文科省が指定した教育機関で受講することができます。

それぞれのHPで予約をし、お金を支払って受講することになります。必修領域の授業は数も限られており枠もそれほど多くはないので、早めの申込が必要になります。

受講が修了すれば、各講座の修了証を免許を発行した教育委員会に送付することによって完了となります。

今はオンラインの免許更新もあります

教員免許更新にはおかしな点が多い

さて、ここまでは教員免許更新制度の概要についてお話をさせていただきました。ここからは、私が思う教員免許更新制度のおかしいところについて述べたいと思います。

講習費用はすべて自費

教員免許更新制度は費用がかかります。1講座につき6時間ほどなのですが、1講座だいたい5000円~6000円となり、更新するたびに30000円ほどかかります。

これに証書代だなんだと合わせれば一回の講習にかかる費用は約40000円です。

しかもこれは全て自費なのです。

「車の免許と同じだ」とおっしゃられる方もいるのですが、教員免許は失効するとその瞬間に仕事がなくなります。

一般の方が車の免許を取得されるのとはわけが違います。特に、最初の10年で更新を受けるタイミングは30代前半であり、一番お金の必要な時です。

そのタイミングでの40000円は本当に痛いと感じるのは私だけなのでしょうか?

 

内容があれば痛くはないのですが…という話は次に続きます。

更新が教師の技術向上に役に立つのか?と思う講義が多い。

必修領域・選択必修領域の授業は人数を絞って実施していることもあり、いじめや不登校に関しての講義を受けそのテーマについてディベートをする、中高教員向けの授業であればICT関連の講義を聞いたり研究発表を見たりして学ぶ…という授業があります。

6時間を1コマ分として募集していますので、1日研修になることが基本です。

ですので、内容としてもかなり深い部分まで学ぶことができます。

これらは現場に戻ってからも有益なことも多く、わざわざお金を払ってでも教師として学ぶべきことだと感じます。

しかし、一番時間数の多い選択領域については問題のある授業が多いのです。

私が実際に受けたものでいえば、【情報メディア】についての講義を聞く、というテーマがありました。

当時、コロナは流行していませんでしたが、オンラインで動画を視聴するという形式のものでしたので、動画を流したのですが、講師がただ延々と、「インターネットの歴史」についてダラダラと話をするだけのものでした。

しかも6時間分!!(休憩が入るので動画の視聴は4時間半分ですが。) 途中で早送りすることも出来ず、耳で聞きながら子どもの相手をしていたのを覚えています。

無駄に受講科目数を増やしている感が否めません。

 講義を受けられる場所が少ない

都内はまだしも、田舎では単位のための大学が限られているため、通学しなければなりません。専門の大学がない場合は地方受験と同じでホテルを借りて泊りがけです。

その交通費、宿泊費もすべて自腹。住んでいる地域によって格差が起きるシステムです。

更新の時間は用意されず、授業の合間に行く時間がない

教員免許更新講習は、対象の期間が2年あり、その中で行かなくてはいけません。

必修および選択必修は春、夏、及び冬の長期休業中に開催されることがほとんどで、早めの予約ができないとすぐに埋まってしまいます。

しかも、急な用事で行けない場合、申し込みの翌日からキャンセル料が発生します。

緊急の保護者の呼び出し、生徒のトラブルでなくなく講義を辞退、その結果数万が消える・・・。そんなこともあるのです。

教師というのは激務です。

もっと余裕のある職業であるならば、その短い期間でも研修内容をしっかりと精査し、自分の受けたいものを受講できるのでしょうが、なかなかそううまくいかないのが現状なのです。

一般企業であれば社員研修の時間は個別に割り当てられると思いますが、教師に関しては自己申告で授業の合間を縫って参加しなければならないのです。

非常勤や産休の教師が更新が嫌で辞める人もいる

とくに教員免許更新に疑問をなげかけているのが非常勤講師です。高齢化した教師や部活動、専門教科を週に数回の授業で支える非常勤講師にも同様の義務が課せられます。

ただでさえ月給15万~前後でなんの保証もない教師が更新時を境に学校を辞めるというケースが増えています。

どうように、産休・育休で休めないのも非常勤です。馬鹿らしくて辞めてしまってもおかしくはありません。

文部科学省:非常勤講師の免許更新について

ただし、義務は義務ですので、結局は妥協し、受講したくもないものにお金を払って修了証をもらう。

そんな研修でいいのかと思ってしまいます。

 

単位が金で実は単位が買える?

私は先ほど、基準は50006000円ほど、とお話ししましたが、それを超える金額の講習も存在します

8000円ほどの講習になれば、何が変わるかというと、【講習修了がしやすくなる】のです。

例えば、申し込めばテキストが送られてきます。オンラインでの講義を聞き、テキストの最後に添付してあるアンケートに回答するだけで修了証が送られてくるというものです。

アンケートの内容も名前や教員歴、科目や将来の目標など、授業内容については問われていないので、講義など見なくても単位を修得することが可能です。

また、毎年のように同じ講義・同じ講師がホームページ等でラインアップされているのを見ると、講義のアップデートも特になされていないので、講義する側はタダ儲けですね。

何もせずに8000円×申込人数分儲かるなんて、本当においしい商売だと思います。

もしかして何かの天下りなのか?と疑ってしまいます。

 

最後に改善策を述べたいです

最後に、教員免許更新講習は以下のようにすればいいという、私の意見を述べておきます。

現職教員が取る講習を全て必修で2日間通しで行い、その時間は12時間とする。

2日間の研修は全てディベートやプレゼンなど、対話による活動というものを重視した内容にすべき。

研修内容については2日目の最後にレポートを仕上げ、そのレポート全てに講義側がフィードバックを行う。

講習制度を続けるのであれば、費用は半額にする。

 

現状の教員免許更新講習は、教師側からすれば、【国が教師にしている公のカツ〇ゲ】に近いものがあります。

本気で教員の質を保ち、教員免許の更新講習を有益なものにをするのであれば、このぐらいやってほしいですね!!



気軽にどうぞ♪

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