今回は緊急事態宣言を受けて学校の教師がどのように対応しているのか?公立と私立の現役の学校の教師にアンケートを取りました。
前回5月の緊急事態宣言に続き、都内では2度目になるわけですが、それでもやはり学校の仕事全てをオンライン化するのは難しく課題が多いように感じました。
学校教師がテレワークで大変だったこと
では具体的にどんな状況なのか先にまとめておきたいと思います。
- 5月の緊急事態宣言はあまりにも急でほぼ対応できなかった
- 教員同士のオンラインコミュニティーも成立してない
- 生徒の個人情報を自宅に持ち帰るのが無理
- 生徒によってはPCが環境がそろえられない
- 教材研究や別のスキルを学んでおくべきだったと後悔する先生多い
このような意見が見られました。政府は会社の6~7割にテレワークを推奨していますが実際に学校でもそれができるか?というと難しいようです。
以下は現場の先生の生の声です。
高校国語教師のテレワークの現状
こんにちは。私は今、公立の中学校で国語科教員をしています。
新卒で教員になり、副担任を1年経験してから現在教員4年目で、担任をしており、部活動も主顧問として見ています。
緊急事態宣言により、前回のときには全く教育活動ができずにお打ちにいる時間が多かったです。しかし今回は休校をしないということで実態は変わっています。
今回の緊急事態宣言に伴ったテレワークという体制はとられていないのが現状です。
感染対策を徹底しながら、教育活動を行っていくという方針が自治体の方から決まっています。
前回の緊急事態宣言の際には、学校のオンラインの環境は全くというほど整っておらず、課題の受け渡しにも、密にならないように時間設定をして取りに来させるといった形でした。
また、職員に関しては可能であればテレワークができるようにという指示が出ましたので、週の半分は在宅勤務でした。
しかし、在宅といってもオンラインで会議をすることもなかったので、基本的に家で学校が再開した時に向けての準備や、教材研究が多かったです。実際には3時間ぐらいしか1日に働いていなかったような・・・
テレワーク中にやったこと
私は基本的に、学校再開されたときに向けての準備を行っていましたが、いつ宣言が解除されるかも分からないまま進んでいたので大した準備はできていませんでした。
なので読書や漫画を読むことをしばしば・・・・。
何事も経験だということで(言い聞かせて)料理をすることも増えました。
やっておけばよかったこととしては、何か違うスキルを身に付ける時間にしたかったなということです。
ITの知識でも英語でも漢字でも、この時間がある機会に視野を広げるための勉強をしていくこともありだなと思います。
また、教材研究を怠らず、授業を様々につくっていくのもありだと思います。
時間がたくさんあるときに、普段は時間が使えないことに時間を使うべきだと思いました
中学理科教師のテレワークの現状
東北地方で、公立中学校の正規教師をやっています。年齢は、現在32歳です。
担当教科は、理科です。中学校での担当部活動は、陸上部です。
関東地方で、三年間教師として働き、昨年の4月に、現在の自治体に配属され、新採用1年目という立場で働いています。
今年の3月まで働くと、教員としての4年目、今の自治体での1年目が終了します。
そもそもテレワークについての、機材も準備も無く、全くの準備不足状態で、緊急事態宣言の休校期間に突入しました。特に、私の場合は、新しく採用された学校に配属された初日から、在宅ワークになり、何も出来ませんでした。
その分、いままで使った教科書をもう一度読んでみて、学校がはじまってからのカリキュラム作りをしたり、あらかじめ学級通信をいくつか作成したりと、時間を有効活用することができました。
また、授業の研究ということで、授業のノウハウや実際に授業をやっているYouTubeを見ることで、自分の学習の時間を多くつくることができました。
テレワークという概念が一ミリも考えもしなかったので、何をしてよいかわからなくなりました。教職は多くの個人情報を扱う仕事なので、仕事の半分は、職場内で作業が必要であるという点です。
テレワーク中にやっていたこと
テレワークというか、仕事自体と、全く関係のない話ではあるのですが、あまりに時間があったので、はじめて「ブログ」をやろうと決断しました。
内容は、3年間の教員生活で、実践してきたことや感じたこと、ただただ記録を残しておくようなものでした。この作業が、自分にとってはとても良かったと思いました。
なぜなら、自分自身の実践を、自分でわかりやすくまとめるので、振り返ってみると、自分なりに良かったと思えるもの、想いをこめたもの、失敗だったと思うもの、について客観的に考察ができたからです。
これにより、次がもしあるなら、「こう改善しよう」とか、「これをやってみたい」など思えるようになりました。その結果、いま現在新しい取り組みに挑戦できています。
書道教師の在宅テレワークの現状
国立大学附属の中高一貫の学校で非常勤講師をしています。31歳女性で、指導教科は中学1年生の書写と高校1〜3年生の書道を担当しています。
非常勤の勤務は、今年度で8年目になります。
芸術科の教員は非常勤講師の割合が高く、非常勤同士の交流はほとんどありません。
また、書道の教科を受け持っているのは、私のみなので、比較的自由に教科書選定、年間指導計画を立てることができます。
今現在は、対面授業を行なっています。マクスや換気といった感染予防対策は十分に行なっています。
しかし、コロナ禍以前と、特に授業形態が変化したということはありません。
前回の緊急事態宣言の際は、一斉休校であり、学校再開後も分散登校として、学年やクラス別に登校時間をずらしたりしていましたが、今は特にありません。
非常勤講師では、普段から授業だけを担当する立場なので、テレワークといっても授業準備、教材研究というくらいしか自宅勤務でできることはないです。
それも、書道という芸術教科だと、生徒の作品などを持ち帰ることは個人情報の管理の面で難しいので、結局学校でないとできないこともあるので困りました。
また、実技の授業をオンラインでやることは難しく、結局提出物を課すしかなかったのが問題でした。
テレワーク中にやっていたこと
テレワーク中は、授業準備と教材研究を行いました。またコロナ禍での一斉休校の影響で、年間の指導計画を変更する必要があったので、その修正などを行いました。
芸術科の先生と手分けして、ほかの学校がどのように、オンライン授業を行なっているかの情報収集をしました。
またteamsやzoomの使い方などを覚えたり、マニュアルを読んだりしました。
zoomなどで、オンライン会議を行い、そこでzoomによる授業の仕方の講習を受けたりもしました。
校内で、学校独自の、生徒と教員だけが閲覧、使用できるインターネットのシステムが作られたりもしたので、それらの使い方のは把握なども、テレワーク中に行いました。
とにかくネットを使ったツールの使い方をひたすら覚え、とりあえず運用できるようにして、試しに自分の授業で使ってみて、生徒の反応を確認して、また別の方法を模索しながらオンライン授業を進める、というような状況でした。
以上です。
ニュースを見ていると心が痛みます。
入学式や卒業式など1度きりしかな人生のイベントが消えてしまうのは本当にかわいそうで、何とかしてあげたいですね。
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