皆さんは、私立教師と公立教師、どちらになりたいですか?
「私立教師と公立教師はなるのがどちらが難しいのか?」と聞かれたらハッキリ言って「難易度は学校によって違う、人それぞれ」ということです。
ただ、ここで一番のポイントは、専任になるなら公立教師の方が簡単で、私立教師は困難になります。
それでは、その理由についてお話をしましょう。
公立教師だった時に感じたメリット
公立教師の良いところは「公務員」になれるところです。
私立教師と違い、どんな学校でも給与の格差は低く「採用試験」に合格すれば、定年まで続けることができます。
3~10年周期で転勤もあるため、どうしても嫌という学校でも3年間我慢すれば他の学校に移動することも可能です。
よく「3週間続けば3ヶ月続く、3ヶ月続けば3年続く」と言います。
せっかくなった公立教師、できれば長く続けましょう。
専任になりやすいのは公立教師の長所
公立教師の採用試験に合格するには「教職教養」と「一般教養」「専門教養」「面接」「模擬授業」、さらに実技科目は「実技試験」が行われ、それに突破しなければなりません。
しかし、それは普通に大学の授業をしっかりと聞いて勉強し、対策をしておけば大丈夫です。
ここで新卒の教員志望者と、既卒で非常勤講師経験の教員志望者との間での差が「模擬授業」になります。
まずは数年間、公立の臨時採用や非常勤講師で頑張った教師の方が、合格率が高くなる傾向にあります。
続けると、勤務先の校長先生が「推薦」してくれたり「試験対策」も行ってくれます。
そのため、非常勤講師ではなく専任になるなら「公立」の方がなりやすいといえます。専任教師になりたい、と思うなら公立教師をおすすめします。
仕事を続けるのは大変なのは公立教師の短所
しかし、せっかく公立教師になっても辞めてしまう人は大勢います。
まずは、解雇となってしまう例です。公立教師にも組合があり、いざという時は守ってくれますがなかなかここが難しいポイントです。
親たちの考え、子供たちの行動によって昔の教師なら当然のこととやっていたことが、現在は「違法」となっていたり、中にはマスコミが湾曲した報道をしたことで教師側になんら責任がないのに「解雇」になってしまう例が後を絶ちません。
良い教師が育たない一番の原因と教師の「敵」となるのは、「親」「子供」「マスコミ」の存在です。
また、「いじめはダメ」という学校という社会ですが、実は教師間いじめも良くある話です。
学校という狭い社会の中、何もできないことを良いことに、権力のある教師が若い教師をいじめるという例が珍しくないのです。
そして公立教師の一番の難しさは、良い大学を卒業しても「あらゆる」家庭の子供たちを教えなければならないことです。
中には生活保護家庭や、片親の過程で、ひどい貧困層の子供もいます。
高校生になっても分数や小数点がわからない子供もいます。
特別支援学校の配属では、様々な障害を持つ子供たちを教え導くこともあります。
「こんなことをしたかったのではない」と絶望してしまう教師も多いです。
公立教師は専任になるのは私立に比べ容易です。
特に教師不足の昨今、公立教師の採用試験の年齢が59歳までと定年ギリギリまで伸びている、という驚くべき自治体もあります。
しかし、公務員、税金から給与をもらっているという立場上、ちょっとした油断やスキを狙って、続けることが困難な状態になっているのが公立教師です。
私立教師は専任以外の採用は多のが長所と言える
私立教師になるのは、とても簡単です。
ただし「専任を希望しなければ」ということになります。
私立教師の募集は公立とほぼ同時期に始まります。
同じように採用試験があり、内定が出るのは夏休み中から2学期末くらいまでです。
そこで、公立と掛け持ちで受験する人も多く、採用試験で不合格となっても「常勤講師」として採用される場合もあります。
私立教師は公立教師と異なり、試験内容はさほど多くありません。
面接でも「学校長」「理事長」「採用担当者」「教頭」といったメンバーが数名で、公立の採用試験のようにPTA連合会会長が加わることがないのです。
しかし、私立教師で初めから新任の先生を「専任採用」をしているところは少なく、すでに他の学校で経験がある、学内の他の姉妹校で非常勤講師をしていた、常勤講師をしていた教師が採用される場合がほとんどです。
そこで、私立教師になるためには、まずは非常勤講師、常勤講師、公立教師などの経験をしておく必要があります。
非常勤講師なら簡単になれる私立教師の長所
教師不足の昨今、私立教師は学年が始まる4月が過ぎても募集を行っています。それほど「教師」が不足しているのです。
中には、一年間その教科の専門教師が見つからず、他の教科の免許を持っている教師を代用したり、無免許の教師に仕事をさせている学校もあります。
そのためただ「教壇に立ちたい」という希望だけならいくらでも仕事はあります。
しかし、こういった学校では専任教師はほとんど置かないため、ずっと非常勤講師という立場になる場合も多いでしょう。
この場合、男性が非常勤講師という立場だけで生活をするのは大変困難です。
同じだけ仕事をするなら専任になりたい、と思う教師も多いはずです。
もちろん、私立教師の場合「専任教師」を募集する時、まったくの新任よりも経験者を優遇します。
そこで、非常勤講師を続けながら、他の学校の専任教師の採用試験に臨む、という形が好ましいと考えられています。
「私立教師になりたい」と思った場合は非常勤講師や常勤講師で、スキルをあげ、キャリアを重ね30代前半までに専任教師登用を目指しましょう。
なるのも続けるのも大変な私立教師
私立教師と公立教師の違いは、公務員ではないため普通のサラリーマンと同じようなことが、許されている学校が多い、ということでしょう。
例えば、副業、SNSへの顔出しといったことです。
また、学校内で事件が起こっても、学校の立場を重んじるため、簡単に公になりにくいということです。
生徒へのいじめやワイセツな行為をいていた男性教師が、一度解雇になっても、また教師として復活している学校があるというのも聞きます。
授業をさぼってばかりいる女性教師が、他の学校で採用になったということもあります。
私立教師は、学校同士の連携が少ないため、こういった情報が流れにくく、問題を起こした教師でも他の学校で採用され、教師を続けるということがあるのです。
その一方で、本当に真剣に仕事をしていたのに、教師間でのいじめで続けられないという例も後を絶ちません。
これは公立と同じですね。
さらに、ここで問題になるのが私立小学校の存在です。
これは多くの私立小学校が抱える問題ですが、子供たちは「お客様」の立場を在学中は貫くため、公立以上に問題を起こしても教師が注意をすることが難しいということです。
大金を寄付している家庭の子供、地元の名士の子供、社会的な地位のある親を持つ子供は「教師いじめ」を平然と行っていることもあります。
ドラマの用ですが誰も止めません。
そのため、生徒に酷いいじめを受けて辞めてしまう、中には生徒から暴力を受けて辞める教師もいます。
公立ではこういった事件は、学校全体が取り組み、地元を巻き込んで対処します。
しかし、私立の場合は学校側は教師を守るどころか生徒の言い分だけを鵜呑みにし、教師個人が全てを負って退職する、という例も良くあります。
私立・公立教師の難易度と試験対策について
大学入試でこんなことを言われています。
「東大に合格しても早慶は不合格になった」「私立向き、国立向きがある」「偏差値が低い大学が不合格でも、偏差値の高い第一志望が合格することもある」というった言葉です。
これは、大学によって入試の傾向や対策が全く違い、受験科目の違い「受験生」に合った大学に合格する、ということから言われています。
教師の採用試験もこれと全く同じです。
公立教師になりたい人は、公立教師になるための試験対策を、私立教師になりたい人は私立教師の試験対策をすることが重要になります。また、向き不向きもあります。
ただ、どの学校でも最も需要視しているのが即戦力です。
他の仕事と違い教室に入ったら、新任もベテランも同じ教師です。
そのため、どちらでも有利になるのは、実践力になります。
どうしても教師になりたい。なるからには専任教師になりたいという人は、まずは焦らずに採用試験を受けてください。
不合格になっても他の業種へ行くのではなく「非常勤講師」や「臨時採用」「常勤講師」から始めて、早ければ翌年専任教師への採用試験にチャレンジしましょう。
また、経済的な余裕がある人に一番おすすめなのが、大学院に行きながら非常勤講師をすることです。
大学院へ行くと教員免許も「一種」から「専種」となりランクが上がります。
さらに、非常勤講師を経験した、ということで採用試験に合格しやすくなります。
現役のまま新任で教師になりたいという人に一番おすすめ方法です。
私立・公立教師も採用ハードルは下がっている
教師不足の今、非常勤講師なら簡単に採用されるようになっています。
しかし、あまり頻繁に学校を変えないで下さい。
もし、専任教師を目指すなら、頻繁に学校を変える人は信用できません。
大卒後初めての学校なら1年で採用試験にチャレンジした、というなら納得です。しかし、3年目ですでに3校以上の学校を転々としている、という教師は信用度が落ちます。専任教師になっても続かないと思われてしまいます。
特に私立の場合は、こういったことに敏感なので、専任教師を目指すなら一つの学校でしっかりとスキルを磨いて、専任教師の採用試験にチャレンジしましょう。
気軽にどうぞ♪