神奈川県の公立高校で、情報科(ICT)の教師をしています。2年生の担任で、3年生の情報科の授業を担当して4年目です。
現在27歳です。もともと情報科志望ではなく、数学科志望でしたが、情報科の教師も面白そうだなという理由で教師になりました。
勤続年数4年で28歳なので、空白の2年がありますが、そこは大学を卒業してすぐ、海外の教育を学びたくてイギリスに1年間留学していました。
本心は、英語を喋れるようになって、外国人と付き合いたい!と思っていました(笑)
そんな1年を過ごし、日本に戻ってきてから神奈川県の教員採用試験を受け、現在に至ります
情報科の教員を決めたきっかけは?
高校時代から教師になりたくて、教育学部への進学を希望していました。私の通っていた高校は偏差値40ほどの学校で、大学進学をする生徒が30%しかいませんでした。
しかし、恩師と同じ早稲田大学に進学したくて、必死で勉強をしました。模試の判定もDやEばかりで進学は絶望的でしたが、ギリギリまで粘り、判定はCまで上げました。
しかし、本番までにAやB判定にはたどり着けないまま受験をしました。不安でしたが、倍率18倍の壁を乗り越え無事に合格。
そして、大学教育学部で、数学科を専攻。
卒業した後は、自己紹介で記入させて頂いたとおり、イギリスへ海外留学をしていました。
1年後に帰国したのち、およそ1年間、教員採用試験に向けた勉強をして、帰国した翌年に神奈川県の教員採用試験を受け採用。
そして現在の高校への配属が決定しました。
父も教員ですので、教員採用試験に関する勉強は非常に楽で、面接対策やSPIなどの知識をインプットし、数学や情報科の勉強をしていました。
エントリーギリギリまで、数学科を受けるか情報科を受けるか迷っていましたが、考え抜いた末に情報科の採用試験を受けました。
情報講師の一日の授業の流れについて
続いて一日のおもなスケジュールを紹介します。
- 朝生徒が登校する1,2時間前に出勤
- コマ数と時限の確認
- 自分のクラスの教室を換気、清掃、連絡事項の記入
- 情報の授業を行うPC室で、PCの起動、除菌、換気
- 前日までに準備した授業資料をセッティング
- 職員室に戻り、担任が行う業務、提出物のチェックや成績の管理
- 朝のミーティング後、教室へ移動しホームルームを実施
- 授業があればPC室へ行き授業を行う
- 授業がなければ職員室で休憩
- 翌日の授業資料を作成
- 1日の授業終了後、再び教室へ行きホームルームを行う
- 生徒たちが帰った後、教室の清掃と換気、消毒を行い施錠
- 放課後は、部活があれば指導をしに行く(バレー部顧問)
- なければ職員室で翌日の授業資料作成や成績処理、提出物のチェック
- 部活が終わる時間帯(17:00~18:00)に、翌日の準備
- やらなければいけない事のリスト化を行い、帰宅
情報の先生として大変だと思うこと
続いて情報科の教師として特に大変だと思うことをまとめてみます。
- 情報科の担当は学校に1人しかいない
- PCの使い方が分からない生徒が多すぎる
- スマホに全部生徒が頼りすぎ
学校に情報化の先生は不足しているのも関わらず、教師が1人しかいないので風邪などで休むわけにはいかないのが辛いです。
試験問題の作成時に分担などが出来きず、全部ひとりでやるようになります。
現代社会において、ICTは使えるべきであるというのにも関わらず最低限のPCスキルが低すぎる生徒もいます。
- ローマ字が打てない
- タイピングが出来ない
- 最低限のPC用語の意味が分からない
ExcelやWord、PowerPointの使い方においても、使ったことはおろか、見たことすらないという生徒が多く、どこから説明しなければいけないのかいつも分からないくらいです。
そして授業をしていると「そんなのスマホで出来んじゃん」とヤジを飛ばす生徒がよくいます。
確かにスマホでも可能ではありますが、ExcelやWord、PowerPointはPCの大きな画面上で行う方が見やすく、早くできるので、使えるようになった方が得なのです。
この話をしても生徒に通じないのをわかっているので話したことはありませんが・・・。
いつも、そう言われると「じゃあスマホで同じもの作って提出してね」と言うんです。
生徒たちのすごいところは、ロイロノートというアプリをダウンロードするよう学校全体で指示しているのですが、それを用いて本当にスマホで作ったものを提出するのです。
しかし、内容は指示とは違う数式だったりするので、しっかり減点しています。
コロナでオンライン化してからさらに大変
従来の授業方法であれば、黒板に書いて、それを生徒が写すという方法でよかったものの、オンラインとなるとそうもいかず、スクリーンの共有用資料を作成しなければなりませんでした。
それらが出来ない教師のためにフォーマットを作成に膨大な時間がとられます。
ICT利活用授業研究推進校という肩書はもはやなんの役にも立っていないではないかと腹が立つ日もありました。
もしこれで、私がいなかったらこの学校はどうなっていたのだろうかと考えるだけでぞっとします。
他の講師の分もICT教師としてパソコン周りの仕事が回ってきましたが、公務員なのでそれらの残業手当などはありませんでした。
情報科教師の待遇について、他教科との違い
私立公立問わず教師が不足しているので待遇は良いと思います。
しかし、1人で320人受け持って、試験問題も作って、担任業務(40人いるクラス)もして、と考えるときつことには変わりません。
5科目教諭の方が複数人で受け持つので、一人で80人~160人ほどを受け持ち、ローテーションで試験問題を作り、担任業務(40人いるクラス)をする方が楽でいいなとも思います。
それで年功序列の給料か…と思うことはありますが、情報科の業務も楽しいし、1人なぶん気を遣うこともないので非常に楽で良いです。
教員4年目、同い年の6年目と比べると給料は少々低いですが、生活には全く困っていないので、全然なにも文句はありません。
そして私は、お金への執着が全くなく、生活できれば良いと思っているので、ボーナス査定については考えたこともありませんでした。
お役に立てる情報が何一つなく、非常に申し訳ないのですが、仕事量だけはここまで大きく違うということを是非とも知っておいて欲しいので詳しく書かせていただきました。
これから情報科教員を目指す人へ!
現在、教育界はブラック企業と言われていますが、それは人によって捉え方が違うのではっきりブラック企業であるとは言えません。
私自身の見解としては、テスト期間だけはブラック企業だなと思うことがあります。
何故なら、教員不足の情報化の教師は320人分の提出物の管理とチェック、評価を行わなければならないからです。
試験はすべてマークシートなので採点は自動ではありますが、作成までが一苦労です。
しかし、その大変な部分は1割程度、残りの9割は日々面白いこと、楽しいこと、新しいことでいっぱいで、自分自身を成長させるチャンスが多くあります。
体育祭では、陸上部出身なので、自慢の足の速さをいかしたりなど、教員になると様々な場面で様々なチャンスが訪れます。
教師になるまでは大変だし、なったあとも大変ではありますが、人間として成長できるチャンスがたくさんあるので是非、頑張って教師になってください!!
気軽にどうぞ♪