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日本語教師の将来性は?ヨーロッパの需要を現地レポ

現在30歳で、海外(ヨーロッパ)で日本語教師をしております。日本語教育業界には5年ほど携わっております。

日本語教師養成講座を受けた後、海外へワーキングホリデービザで渡り、他の仕事と並行しながら現地の家庭教師派遣会社に登録して子供たちに日本語を教えました。

その後、民間の外国語学校の日本語セクションに3年間ほど勤めました。

こちらでは、子供から大人まで幅広い世代の生徒さんを相手に教えました。そして、今年からはフリーランスとして活動しています。

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目次

日本語教師の仕事はAIの登場で消え去っていくのか?

日本語教師の仕事は、AIの発達によりなくなるとは思いません。まず、日本語教師に限らずそもそも教師という仕事は人間にしかできない部分が多いため、AIが発達してもなくならないと聞いたことがあります。

それに、AIはただ蓄積したデータを使って計算し答えを導くだけで、人間のように言葉を理解することはできないため、語学教育の面ではまだまだ人間に分があるようです。

特に日本語は文脈に依拠している部分が大きい言語なので、AIは単語の意味など部分的には解説できても、文脈に沿った意味をきちんと把握できないのではないかと思います。

実際日本語学習者は世界で減っている

公益財団日本ドットコム

国際交流基金の「海外日本語教育機関調査」で、2021年度に日本国外で日本語を教えている教育機関数は前回18年度調査から2.1%減の1万8272校、学習者数は同1.5%減の379万4714人。教師数も3.5%減の7万4592人といずれも微減となった

日本ドットコム

しかしながら、今の時点でもAI技術を活かしたEラーニングも増えてきているので、日本語教師の数は将来的には減っていくでしょう。

さらに教師だけでなく、日本語学習者自体も大きく減少すると思われます。

わざわざ膨大な時間とお金を投資して日本語を勉強しなくても、AIの技術によって日本語話者と問題なく意思疎通できるようになる日がいずれ来るでしょう。だから、コミュニケーションツールとして日本語を学ぶ人は将来いなくなるかもしれません。

とはいえ、いくらAIが発達しても日本語自体を学ぶことが目的の人はいなくならないと思います。

外国語学習は、自分の考え方や価値観の幅を広げることに寄与し、ひいては精神的な成長も促すと私は思います。

こういった、教養を身につけることが目的のタイプの学習者は、母語話者が何気なく使い分けている言葉の選択や、その言葉の持つ歴史的・社会的背景を知ることに喜びを感じます。

彼らが満足するような授業をするために、言葉に関する深い考察を行うのは、まだまだAIには難しいのではないかと思います。

そのようなわけで、日本語教師のニーズ自体は減るけれど、仕事自体はなくならないと私は考えています。

日本語教師がAIに仕事を奪われないために考えるべきこと

AIは脅威だと捉えるのではなく、私はむしろAIと仲良く共存していくべきだと考えています。例えば、単語や文字を覚えるには、教師よりもAIを利用した方がスピーディーで効果的だと思います。

学習者が間違えた箇所を記憶して、できるまで何度も出題するなどのAIの機能は、暗記学習にうってつけです。AIは、知識を詰め込む際の良いパートナーになると思います。

だから、教師はAIにもできることだけをしていては仕事を奪われてしまうでしょう。

単語や文字の暗記はAIにまかせて、教師は学習者の発話トレーニングや会話練習を行ったり、AIではカバーしきれない言葉の細かいニュアンスや使い方を指導したりと、教師にしかできないことをすべきだと思います。

また、学習者のニーズをしっかり反映させてコースデザインを組み立てる能力はAIには難しいと思うので、学習者自身も気がついていない潜在的なニーズを汲み取る力は養っていくべきだと思います。

AIだけを使ったレッスンだとどうしても画一的になりがちだと思いますが、生身の教師の場合は「日本の小学校に通う息子がもらってくる学校からの手紙を読めるようにしたい」「日本人アイドルにファンレターを書きたい」といった、かなり個人的な要望にも柔軟に応えることができます。

その他には、日本語教師は言葉のみならず日本の文化・歴史もある程度勉強すべきでしょう。

先ほども述べたように、教養を深めるための日本語学習は今後も需要があると思われるので、彼らの期待に応えられるように知識を増やし、必要な時に引き出せるようきちんと頭の中で整理しておく必要があります。

ちなみに私は最近、日本の古典作品をよく読むようになりました。

さらに、アニメやマンガから日本語に入る学習者もかなり多いので、日本のサブカルチャーに関する知識を深めておくのも悪くないと思います。

AIが進化しても語学教師には明るい将来性があると思う

私は、AI社会の到来をあまり悲観的に捉えていません。便利なものが増えるのは、我々人間にとって単純に良いことだと思っているからです。

人々はつまらない単純労働に従事しなくて済み、その分他のことに時間を割けるので、もっと各々の人生が豊かになるはずです。

とはいえ、何も考えないで今まで通りのままでは語学教師だってAIに仕事を奪われてしまうので、常にアンテナを張り巡らせて自分の頭で考えていくことがとても重要になると思います。

会社に雇用されるのが当たり前という常識も段々崩れていき、上司に言われたことだけをこなすロボットのような画一的な人材は求められなくなるでしょう。

そして、人間の担当する仕事はクリエイティブな性質のものが増えていくはずです。だから、今後自分から進んで創造性を養っていくべきだと思います。

クリエイティブな仕事はアートや芸能など人の心に訴えかける類のものが多いので、本を読んだり、映画を見たり、芸術作品に触れたりと感性を磨くことが重要になってくるのではないでしょうか?

また、日本人はカラオケ、絵文字、インスタントラーメンなど他国に類を見ないものをたくさん発明しているので、そのぶっ飛んだ発想力はAI時代でも活きてくると私は信じています。

今までの社会は好きなことを仕事にできる人はごく一部でしたが、「これからの時代は好きなことをやっていかないと食べていけない」という話を聞いたことがあります。

そういう時代がやってくるなら、若い人には今のうちに好きなことを見つけて、とことん突き詰めておけと言うべきでしょう。私自身も、日本語教師という仕事が好きなのでずっと続けていますし、需要がある限りこれからもやっていくつもりです。



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