非常勤講師を始めても、1年目で辞めたいと思うことは誰でもあります。
そう、誰でも「辞めたい」と思う時はあるのですよ。
「みんな学校の中で楽しそうに仕事をしている」「自分だけがこの学校に合っていない」と思っていませんか?
そんなことはありません。非常勤講師はもちろん、専任の先生でも1年の学期途中で辞めたいと思ってる人ばかりです。
1年目で辞めたいと思う人へ!
辞める時に気を付けることや、辞める辞めないを決めるための、向き不向きといったことのお話です。
非常勤講師1年目で辞めたい人へ
まず、「初めての学校で辞めたい、1年も経たないうちに辞めたい」と思う教員は山のようにいます。
というよりも、大学を卒業し就職をして、数か月で辞める人がいるのが「当たり前」の世の中になっています。
就活で内定をもらった後に、転職サイトに登録する大学生もいるくらいです。
1年目から辞めたい、というのは「特別」なことではないのかもしれません。
そこで、辞めたいということをあまり「特別なこと」と悩まないでください。
自分だけ「辞めたいと思っている」と考えると、ますます仕事に対して後ろ向きになってしまいます。
「まずは、誰でもそう思っているのだ」と思ってみましょう。
気持ちが楽になりますよ?
まずは、新任で学校の非常勤講師になったものの、さっそく辞めたいと思っている先生へのアドバイスです。
学生生活とプロの教員生活が違うのは当たり前
大学を卒業し、社会に出て教師になったところ「思っていたのとは違う」というのは当たり前のことです。
それは普通の企業での就職でも、専任の教員でも、公務員でも、そして非常勤講師でも同じです。
学生と社会人は違います。
学生のころは学校や親に守られていたあなたを、誰も守ってくれないのが社会です。
まして、非常勤講師の仕事は「スタンドアローン」、つまり教室に入ったらすべてが「自分自身だけの仕事」で「自己責任」になるのです。
しかも守られていた立場から、「生徒」を守る立場に変わるため、責任も重大です。
学生のころに許されていた「レポートの提出は期限ぎりぎりでいいや」「今日は忘れたけれど、理由があれば許される」ということはありません。
こういった気持ちが残っているようなら、非常勤講師どころか、専任教員や企業での正社員の仕事は難しくなります。
こういった気持ちで「辛いから辞めたい」と思うなら、それは「社会人として未熟」ということです。
少し考え直してみましょう。
せっかく採用してくれた学校です。おそらく、他の学校に行っても同じ気持ちなら長続きはしません。
まずは、1年目で辞めると決める前に、もう一度冷静に考えて、大人になってください。
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専任になりたい場合は1年目で辞めるのはアリ!
ここで、非常勤講師の場合は1年目で辞めても仕方ない、という一番の大きな理由があります。
それは、は非正規雇用の社員と同じで、色々な保証がないことです。
ボーナスや社会保険、退職金、失業保険など、しっかりと保証がある仕事に就きたいと思う場合は、非常勤講師を1年目で辞める、は「有り」です。
辞めたい理由が「安定」で、今働いている学校がそれを保証してくれないなら、1年目で辞めるという選択は間違っていません。
しかし、数年後には専任の約束がある、という場合は少しだけ頑張るというのも選択肢の一つです。
専任採用があるのか?面接時に聞いておこう!
ここで一つ問題になるのが、自分が採用されるときに「数年後には専任になりたい」「専任になる可能性があるのか」という質問をしているのか?ということです。
こういったやり取りがない場合は「専任になれないのは当たり前のこと」と取られる場合があります。
学校側から「専任になれる保証がない、非常勤講師でもいいか?」と言われて納得して就職したなら「保証のある立場を理由に辞めたい」というのは、自分勝手で学校との約束違反になります。
東京都内はともかく、学校は狭い世界です。
もし、こういった理由で辞めて他の学校へ行き、次も同じことをした、などということが続いて周囲に広がれば、あなたの信用はなくなります。
そこで、専任を目指す場合は、必ず可能性を確認しておきましょう。
それでも、約束を守ってくれない学校なら、それは1年で辞めるという選択の方が正しいかもしれません。
こういった学校は、あなただけでなく、他の先生も長続きしていないはずです。
しかし「教員の仕事が理想と違う」ということなら、それは学生と社会人との違いに、まだ理解ができていないのかもしれません。
そこで、まず「あなたは学生ではない」ということを、きちんと心に念じましょう。
他の学校からの転職1年目で辞めたくなるケースもある
新しい学校で仕事を始めて1年目に辞める非常勤講師の先生も多いです。
会社同様ですが、「前の学校との校風の違いに悩んで辞めたい」と思うことがありますよね?
以前勤めていた学校が長ければ長いほど、新しい学校に馴染めないのは当然です。
これは学校の教員だけではありません。
他の仕事を辞めて、新しい仕事に就いた直後は不安がいっぱいです。
慣れた仕事仲間が恋しくなります。
どうしても嫌で辞めた学校ならまだしも、契約満了や人員削減で解雇されてしまった学校なら未練はあります。
そこで、新しい学校に慣れるまでは、どうしても「辞めたい」と思う気持ちが続きます。
さらに、学校の場合は初めの1年生の担当になればよいのですが、2年生や中高一貫の高校生を担当すると、生徒の中にも「前の先生」と比較するような言葉が出てきます。
新しい先生にとって、これは少し厳しいことです。
特に、前任の先生が良い先生で人気があると、授業がうまくいかない旅に、「自分が嫌われている」と気になってしまいます。
そんな時は、どんなベテランの先生でも、辞めたいと思ってしまいます。
さらに、私立学校の場合、試験の作り方や成績の付け方、校則など学校によってマチマチです。
「前の学校のつもりで授業をしていたら、周囲の先生に注意をされてしまった」ということもあります。
1年で辞めるのではなく、少し様子を見ることをおすすめします。
非常勤を今すぐ辞めたい気持ちはどれくらい?
ここで、1年で学校を辞めるという気持ちがどれくらいなのかを考えましょう。
もし、本当に辞めたいなら、潔く新しい職場を探すための就職活動をします。そして、その結果は、本当に必要な教員だけは共有しておきます。
例えば、自分が一緒に組んでいる教科の先生などです。
しかし、これもタイミングが早すぎても、遅すぎてもダメです。
遅すぎると周りの教師や生徒及び保護者に迷惑をかけますし、早すぎると色々な噂が先走りし自分が思ってもいないイメージが付いてしまいます。
教師を1年で辞める前に考えること
1年目で辞める前に、まずは考えてみましょう。
新しい職場が決まってからでは、辞めないという選択はできません。そこで、新しい職場が決まる前に「辞めたい」「辞めよう」と思った時に考えてください。
「なぜ、新しく始めたばかりの学校を辞めたいのですか?」
専任になる保証がないからでしょうか?
その場合は、保証がないことを理由に、新しい学校を探しましょう。
特に、色々な先生が長続きしないという学校は無理に信用しないことです。
こういった学校なら、1年で辞めて、しっかりとした条件の学校を探しましょう。
「あまり深い意味はない、自分の都合で辞めたい」と思っているなら、もう少し考えてみましょう。
- なぜ自分がその学校を選んだのか?
- 教師を選んだのか?
- 本当に辞めたいのか?
- 辞めて後悔しないのか?
- 次の仕事の保証はあるのか?
ということです。
こういうことをしっかりと考えられない人は、1年目で辞めるという選択をするのは危険です。むしろ、少し我慢して続けることで、その学校が楽しくなります。
学校の非常勤講師の良いところは「夏休み」や「冬休み」「春休み」といった長期休暇があることです。
この休みの間に、「辞めたい理由」を考えて、それでも辞めたいと思った場合は、新しい仕事を探しましょう。
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1年の学期途中で辞めると決めた教師が退職までに気を付けること
1年で辞めると決め、他の学校や転職先から内定をもらったら、やっておくこととやってはいけないことがあります。
若い先生はこれを間違えていることがよくあります。
特に、まじめな人、一生懸命な人ほど間違ったことをして周囲を混乱させています。
1年目で辞める先生がやってはいけないこと
若い先生が就任すると、ベテランの先生は自分の業務を引き継ぐことを考えます。
そこで、色々な仕事を任せてくれることがあります。
新人が来たら張り切って、それまでの学校の問題の改革を行ったり、整理整頓をしてくれたりと、周囲も応援してくれるはずです。
ところが、1年目で他の学校へ行ってしまう。転職してしまう・・。
これはベテランの先生たちへの「裏切り」にしかなりません。
そこで、手を出すことを止めておとなしくしてくれればよいのに「辞めるのだからあとに良い印象を」などと張り切られると、「ウザっ」と思われることになります。
ベテランの先生は、そんなに不満を口にはしませんが、引継ぎを壊すということはその先生の「ルーティンワーク」を壊したということです。
非常勤講師を長く勤める先生の中には、家事や育児、介護、他の学校や仕事との兼任をしている人が多くいます。
それぞれの仕事が破綻しないように、皆さん自分なりのルーティンワークを作っています。
それを壊すのですから、責任は重大なのです。
その責任を途中で放り投げて、1年の学期途中で辞めるあなたは汚名を着ることがあります。
- 「裏切り者」
- 「うざい存在」
- 「独身はこれだから」
- 「暇な人はこれだから」
と思われても仕方ありません。こういうことに気が付かず、新しい学校に行っても同じことを繰り返します。
まずは「長くいるつもりがない」「1年で辞めるかもしれない」という気持ちがあるなら「郷に入っては郷に従え」を身に付けましょう。
そして、辞めることを決めたら「自分の仕事」だけを全うし、他の先生の仕事には絶対に手を出さないようにしましょう。
長く勤めた先生は、辞めた後も「良い先生だった」というイメージが付きます。
しかし、1年目で辞める場合は「逆」です。
辞める自分を「良い先生」にすることを頑張ってはダメです。
残念ながらどんなに頑張っても辞めた後は「悪い先生」に仕立て上げられます。これは覚悟してください。
1年目で辞める先生がやるべきこと
1年目で辞めると決めたら潔く周囲の人を巻き込まない行為をしましょう。まずは、自分が受け持つ生徒が「落第」しないようにします。
高校生の場合は赤点と呼ばれる成績不振で進級できない場合があります。
ところが、学校によっては単位数が少なくても、とりあえず進級をし「落第した教科だけ」を補習する場合があります。
こういったことが起こると、他の先生が補習をするか、自分が学校に残って補習することになります。
学校を辞める前に生徒に「赤点」を付けるのはご法度です。
出席日数が不足する場合も、早めに担任の先生たちと「どう対処するか」を早めに決めてください。
そこで、自分が受け持つ生徒は、全員しっかりと進級できるように指導するか、複数の教科でも赤点のため、進級が難しいのかをしっかりと見極めましょう。
ただでさえ、1年目で辞めるのです。
ますます「悪い先生」のイメージがついてしまいます。
例え生徒に非があっても必ず先に相談をしてください。
1年で教師を辞める人辞めない人の差って何?
どんなに大変な学校の非常勤講師でも、長く続ける人はたくさんいます。
それでは、なぜ長く続く人と1年目で辞める人がいるのでしょう?
1年目で辞めてしまう人のほとんどは「自分の仕事」をしていません。やっているつもりでも、バタバタとあがいているだけです。
どんな世界でも、自分の仕事ができるまでに3年はかかります。
しかし、1年目で辞める人は「自分の仕事」ができないうちに辞めてしまうことが多いです。
大変と思われる学校でも、慣れてくると自分なりのリズムができて、大変さが徐々に変化します。
2年、3年と経つと、徐々に学校の仕事にも慣れ、自分らしさを出しても避難をされることなく、楽しく仕事ができるようになります。
長く続く人は、こういった時間を乗り切った人です。
中には、それを支えてくれた人がいる学校もあります。
しかし、こういった人間関係を作るためには、時間がかかります。
一朝一夕で、自分の信頼を勝ち取ることはできません。1年目で辞める人は、こういった信頼を得ることができない人、信頼を得る前に自分を諦めてしまう人です。
学校そのものが合わない人は別業界がおすすめ
「安定職だから」「なんとなくカッコいいから」などという理由で教職をとったものの、意外と生徒の前に立って教えるのが面白くなかった・・もっと教科を教えたかった・・・という人もいます。
学校というのは教科をおしえるだけではなく、様々な雑務もありますので、イメージと違うことが多いはず。
そう言う人は同じ教育ジャンルの別業界に行くか、後は思い切って別の仕事を選ぶという選択肢があるのも忘れないでください。
悩み過ぎて1年目で精神的におかしくなってしまう方もいますので、体調不良で休みが連続してしまう場合はある程度保険をかけて転職活動をしておくのは悪くはないと思います。
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非常勤を辞めて再就職に困るケースもある
1年で解雇になってしまうのは仕方ないことです。しかし、自分から辞めないという選択も大切です。
最後に、「自分で辞めないという選択をしてほしい人」をご紹介しましょう。
まずは、年齢的に60歳近い場合です。
ほとんどの仕事の定年が60歳です。非常勤講師も同じで、60歳を境に募集も少なく、条件も悪くなります。
そこで、年齢的に50代後半の人は、1年目で辞めないようにしましょう。
そして、1年目で辞めない方がよい人の中には、非常勤講師という立場を続けたい人も含まれます。
非常勤講師という立場は、長く続けるほど条件が良くなります。
「専任教員になりたい」という気持ちが強くない場合は、よほど条件が良い場合を除き、辞めることは得策ではありません。
中でも、家庭と教員の両立を続けたい人は、非常勤講師はとてもおすすめの仕事です。
できる限り、同じ学校で長く続けましょう。
まとめ:1年目の壁はどんな業界でもある
どんな仕事についても1年~3年が一番きつかったという人が多いはずです。これは教職にかぎったことではありません。
確かに非常勤講師の待遇はそこまでよくはないのは事実ですが、「本当に辞めて良いのか?」それは考えてみると良いかと思います。
気軽にどうぞ♪