教師も警察官も安定した職業です。小説やドラマ、漫画の主人公にもなる「憧れの職業」でもあります。中でも、警察官は少しの不正も許されない、厳しい職業です。
しかし、いざ就職をするときになると、どちらも仕事の過酷さが給与に見合っていない、プライベートタイムがない、プライバシーがないと嫌う人もいます。
それでも、教師から警察官へ転職したい、警察という社会で誰かのために役立ちたい、そう考える人のために「警察官」になるためのお話です。
教師から警察官に転職するにはどうすべき?
警察官は公務員です。警察官にも警察庁に所属する「国家公務員」と、都道府県警に所属する「地方公務員」があります。
さらに、同じ警察官でも警備部門の「機動隊」、交通部門の「白バイ隊」の他、「SP」や「鑑識課」といった特殊な仕事もあります。実は日本人でも渡米し永住権を取得して5年以上経つと「FBI」にチャレンジすることもできます。
ミステリー好きな人には、前のめりになる情報かもしれません。そして、今回は教師から日本の警察官になるためのお話になります。
教師から警察官の転職は相性がいい
小学生に「大人になったら何になりたい?」と聞くと、学校の先生やおまわりさん、という仕事があげられます。しかし、高校生や大学生に同じことを質問すると、なりたくない仕事に入ってきます。
いずれも「自分さえよければ良い」「今だけ良ければ良い」というという若者が増えていることも原因の一つかもしれません。「情けは他人のためならずなのに」。
介護や医療はもちろん警察官も教師も誰かのために「役に立つ仕事」です。他人のために何かをすることはいつか自分のためになる、こんな風に思える人は、教師でも警察官でも、きっとうまくやっていけるのではないでしょうか?
こういった精神論からも、教師から警察官への転職は可能であると考えられます。
そして公立の教師は、教員採用試験のために法律や心理学、時事問題などを勉強します。
すでに、公務員試験になるために必要な勉強をしています。そのため、他業種からの転職よりも、同じ公務員の「警察官」採用試験の勉強に取り組みやすいという人もいることでしょう。
それでは、警察官になるための方法です。
警察官の募集と採用試験の日程
警察官の採用試験は自治体によって異なりますが、警視庁は「春」と「秋」「冬」の3回行われます。
令和3年の春の採用試験の申込や一次試験は終了しましたので、令和3年の採用試験に挑戦する人は次回7月末から募集が始まる9月、または11月末から募集が始まる令和4年1月の採用試験を受験しましょう。
地方によっては、すでに令和3年度の採用試験は終わってしまっている自治体もあります。・
地方の県警の募集は様々ですが、神奈川県や埼玉県等の首都圏では、大卒者が受験する試験は初夏の1回になるため、すでに令和3年度の募集は終了しています。
ただし、警察官も人材不足が深刻化し、転職サイトで通年募集を行っている県警もあります。
来年まで待てない、という人はこういったサイトをチェックしたり、自分が希望する県警に問い合わせをしても良いでしょう。
教師におすすめする警察官の職種と受験年齢
ここで、令和3年度の採用試験に間に合う「警視庁」についてのご紹介です。
警視庁には、いわゆる警察官と呼ばれる仕事をする職員と、事務職の警察行政職員がいます。
受験年齢は職種によって異なりますが、専門職Ⅰ類、Ⅲ類は令和3年度の募集で、昭和57年4月以降生まれとなっています。つまり39歳まで受験可能ということです。
警察官は現場での仕事になるため、行政職員よりも少し若い人を募集しています。令和3年度の採用試験では昭和61年4月以降生まれのため35歳以下になります。
1,教師から鑑識さんに転職する
教師におすすめしたいのが、警察官よりも行政職員の専門職Ⅰ類になります。行政職員には土木や電気といった仕事もありますが、専門職Ⅰ類は「令和3年度はベトナム語やネパール語」といった、特殊な語学が堪能な人、「鑑識技術」では「化学、薬学」などに精通している人を採用しています。
ただし、残念なことに令和3年度の採用試験はすでに終わり、今年度受験する人は警察官の受験に挑んでください。とはいうものの、やはり教師だからこそ受けやすいのが専門職です。
以前、某私立高校の理科の教師は、学校で理科の「化学」を専門に教えていましたが、その後「鑑識技術」の採用で警視庁に入りました。他にも交通技術という専門もあり、いずれも、大学で語学や化学、薬学科、都市工学、土木などの専門分野を学んでいることを求められます。
大学を卒業後、理科や語学、技術科教師を経て、専門職の行政職員になるという転職方法があります。こちらは毎年募集があるわけでもなく、さらに鑑識技術は毎回1~3名募集のところ20名以上の応募がある、かなり狭き門となっています。
年齢制限は、一般の警察官よりも幅広いため、諦めずに次の機会を考えて準備をしておきましょう。
2,一般警察職員に転職する
一般の警察官の募集では、一般教養や論文、国語、面接の他に「身長・体重」「健康状態」が重要視されます。
試験には、スクワットや腕立て伏せなど「運動能力」も問われますので、運動に自信がある国語や社会の教師、逆に国語に自信がある体育教師におすすめです。
また、資格評定も採用の加点となるため、TOEICの点数や柔道・剣道の有段者も優位になります。体力に自信がある英語教師、柔道部、剣道部の段を持つ顧問の教師はぜひ挑戦してみて下さい。
前述の理科教師から鑑識技術に転職した教師も、柔道部顧問で有段者でした。柔道有段者で英語教師となれば、転職にかなり有利かもしれません。
また、近年のIT化は警察も同じでサイバー犯罪などに対応するために、ITパスポート取得者など情報に精通している人の採用も増えています。情報の教師はこういった資格を生かして、受験してみるのも良いでしょう。
しかし、いずれも「体力テスト」はあります。
ITに精通していようと、英語が得意だろうと、スクワットや腕立て伏せ、腹筋などはあるようなので、日ごろからダイエットやシェイプアップをし受験に備えましょう。
音楽教師におすすめ~音楽隊という仕事もある
地方都道府県警には、音楽隊というのがあります。自衛隊にもあります。
音楽隊は一般の警察官の募集から採用される自治体と、専門的に音楽隊を募集する自治体があります。音楽隊といっても全員が音大出身とは限らず、大阪府警のように学生時代「吹奏楽部」だった、という人でも配属があるという警察もあります。
大学卒の中でも、特に就職が難しいのが芸術系の大学です。美大なら画家や陶芸家、デザイナーと言った仕事の他に「美術」の教師に、音大なら作曲家や演奏家、ピアノ教師や「音楽」の教師という道があります。
しかし、専門の仕事に就ける人はほんの一握りで、ほとんどは普通の大学を卒業した人と同じ事務仕事に就いています。
その中で「音楽」の非常勤講師を続けながら演奏活動の夢を追い続けて、色々な楽団の採用試験を受けている人がいます。
そんな教師におすすめするのが、警察の「音楽隊」です。都道府県警の音楽隊は、こういった音大卒の人が多く採用試験を受け、活躍しています。楽団員としての仕事をしながら公務員「警察官」になります。
教師以上に、安定した収入を得ながら、好きな演奏活動という音楽を続けられるおすすめの仕事です。
まとめ警察官への転職は狭き門
教師と同じくらいブラックと言われる警察官ですが、倍率は意外にも高く、いずれの試験も大卒で5倍を超えます。高卒では10倍を超える人気の職業です。
令和3年度の教員採用試験が2倍を下回っているので、警察官になるためにはかなり難しく高倍率といえるでしょう。それでも、自分の得意とすることを生かしたい、学校よりも広い現場で仕事をしたい、という人はぜひ次の採用試験に挑戦してはいかがでしょう。
それぞれの教師として仕事をしてきたことを生かせる資格もたくさんあります。
しかし、49歳、59歳まで受験できる教師と違い警察官の採用には、年齢制限があります。
年齢を重ねると、体力もどんどんと厳しくなります。
もしあなたが、教師を辞めて警察官になりたい、そう思うなら20代のうちに決断をしましょう。
気軽にどうぞ♪